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30代女性の中絶事情~身体的・精神的リスクとは

悩む女性のイメージ

妊娠・出産の高齢化が進む日本。最近では30代で妊娠・出産をする方の割合が増え、第一子出産時の平均年齢も30歳を超えています。

しかし、不妊治療などで悩みを抱える方も多い中、30代での妊娠中絶も後を断たないという事実があります。

ここでは、そんな30代の中絶事情やリスクについて詳しく解説します。

30代女性の妊娠中絶統計

厚生労働省の調べによると、2016年度に国内で人工妊娠中絶が行われた件数は168,015件です。1950年代には年間の中絶件数が100万件を超えていたことを考えると大幅な減少といえます。

では30代(30~39歳)女性の中絶件数はどうかというと、2016年度は64,563件でした。ちなみに2012年度は74,474件ですから、たった4年間で1万件も減っています。

参考:厚生労働省:平性年度衛生行政報告例の概況・母体保護関係[pdf]

30代で中絶するとどんなリスクがあるか

中絶を行うことで生じるリスクには、身体的リスクと精神的リスクがあります。身体的リスクは、中絶手術中に起きるリスクと手術が終わった後に起きるリスクに分けることができます。

手術中に起きるリスク

手術中のリスクとしては麻酔のリスクと子宮へのリスクがあります。

  • 麻酔のリスク 

中絶や出産に限りませんが、手術である以上、一定の割合で麻酔の事故が起きる可能性があります。

  • 子宮内感染のリスク 

手術中になんらかの理由により細菌が子宮内に侵入し、感染症を引き起こす可能性があります。

  • 子宮が傷づくリスク 

手術の手技が原因で、子宮の一部に傷がついてしまうことがあります。また子宮頚管や子宮腔に癒着が起こり、無月経の原因となることもあります。

以上のリスクは「30代だから起きる」というものではありません。しかしながら、人間は年齢を重ねるほどに傷や病気への耐性が弱くなるものです。10代20代より30代のほうが手術中の身体的リスクも大きくなります

手術後に起きるリスク

中絶手術を行ったあと、母体には以下のようなリスクが生じます。

  • 早産・流産のリスク

早産や流産は必ずしも中絶だけが原因ではありません。しかし、不妊治療においては、年齢が40代を超えると急激に早産・流産の確率が高まることが統計上明らかになっています。これは、母体の年齢が上がるほど、スムーズな妊娠や出産がむずかしくなることを示唆しています。

厚生労働省のデータでも、25~29歳の自然流産率が11%であるのに対し、35~39歳が20.7%、40歳以上は41.3%と、30代後半を超えると急激に流産率が高まることがわかります。

中絶によって出産を先延ばしにしたことで起こるリスク

中絶をするということは、妊娠・出産できるチャンスを無理やり先延ばしするわけですから、中絶を重ねるほど早産・流産のリスクが高まるのは当然といえるでしょう。

  • 妊娠中毒症のリスク

妊娠中毒症は、正式には「妊娠高血圧症候群」と呼びます。高血圧を発症したり、腎臓の機能が弱まったりするのが特徴です。

妊娠中毒症の原因はよくわかっていませんが、これも統計上、母体が高齢であるほどリスクが高まることが知られています。

  • ダウン症児を出産するリスク

これも高齢出産との明確な因果関係があるわけではありません。しかし、やはり統計上、高齢であるほどリスクが高まるといわれており、その傾向は40歳を境に顕著となります。

1997年の調査によると、母体が20歳のときにダウン症児を出産する確率は1667分の1、40歳のときには106分の1です。実に15倍もの差があります。母体が30代後半の場合は、ダウン症児を出産するリスクがかなり高まるといってよいでしょう。

精神的リスク

中絶によるリスクとしては、「女性に与える精神的なダメージ」もかなり大きいといわれています。

  • 罪悪感

自分の子どもを自らの意思で死産させるという行為は、母として、また人間としての罪の意識を母体に強く植え付けます。

  • パートナーへの不信感や嫌悪感

中絶は、パートナーの男性の強い意向で行われるケースも多いのが現実です。その場合、女性は「産みたい」という強い願望を押し殺して中絶に望むことから、パートナーに対する不信感や嫌悪感を抱くようになる女性が多いようです。

  • 産後に起きるPTSD類似の心理状態

ある調査によると、中絶手術直後の女性は「一時的に安心する人が多い」という結果が出ています。これは妊娠にともなう不安や肉体的苦痛が中絶によって一気に終息することが理由のようです。

しかし、その後の追跡調査では、中絶後の安堵はあくまで一時的なものであり、中長期的には心に傷を負ってしまう女性が多いようです。これは、中絶から一定の時間が経過したことで、自分の判断を冷静に観察することができるようになり、その結果あらためて罪悪感や喪失感などにとらわれてしまうことが原因と思われます。

中絶は犯罪か?

上述のとおり、中絶した人の多くは、時間の経過とともに罪悪感を感じることが多いと言われています。それは、中絶が人の命を殺めること、つまり犯罪なのではないか、という思いが潜在的にあるからだと考えられます。

日本の刑法では、胎児は「人」と扱われません。人でない以上、中絶を行っても殺人罪は成立しませんが、代わりに堕胎罪が成立する可能性があります。

刑法は、母の承諾・依頼に基づいて中絶した場合は、たとえ医師であろうと堕胎罪が成立すると定めています(業務上堕胎罪、刑法第214条)。この条文を機械的にあてはめてしまうと、ほとんどの中絶は犯罪になってしまい、産科医療が成り立たなくなります。

そこで母体保護法第14条は、

①妊娠の継続又は分娩が身体的又は経済的理由により母体の健康を著しく害するおそれのある場合

②暴行若しくは脅迫によって又は抵抗若しくは拒絶することができない間に姦淫されて妊娠した場合

という2つのケースにかぎり、中絶をしても堕胎罪は成立しないと定めているのです。

なお、条文には明記されていませんが、厚生労働省の通達により、中絶が可能なのは妊娠期間22週未満までと定められています。

違法な中絶が減らない理由

上記母体保護法にあるとおり、中絶が合法となるのは、母体に危険が生じる場合やレイプされた場合などに限られています。

しかし実際には、それらの理由がないにも関わらず、望まない妊娠から逃げたいために、医師にウソをついて中絶手術を行わせるケースがあります。

医師には患者の申告する内容が真実かどうか調査する手段も時間もないため、法律の条件を満たさない違法な中絶がゼロになるのはむずかしいといえるでしょう。

また医師が中絶を行うためには、医師免許だけでは足りず、都道府県医師会の定める要件を満たした「指定医」でないと、やはり違法な中絶となります。しかし、妊娠初期の中絶手術は産科医であれば比較的容易なことから、収入確保を目的とした無資格医による違法中絶があとを絶ちません。

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